『Exhibit of Sorrows』は、adayofjoyが公開した無料のHTML5短編心理ホラーです。舞台は明るくカラフルなサーカス風展示会。展示物をマウスで操作して鍵を集め、次の部屋へ進みます。しかし本作の怖さは「展示物が突然襲ってくる」だけではありません。開発者が明言している通り、悪いことの多くをプレイヤー自身の意図的な操作で起こさせる設計が中心です。
『Exhibit of Sorrows』とは
公式itch.ioでは、curious circus-themed exhibit(奇妙なサーカス風展示)へ訪れ、インタラクティブな展示を楽しむゲームとして始まります。
ページには短い注意として「Explore, enjoy, and do not upset the clown」と書かれています。
ジャンルは心理ホラー、操作はマウスのみ。平均プレイ時間は「数分」とされる非常に短い作品です。
無料・ブラウザだけで遊べる
HTML5作品なのでitch.io上の「Run game」からそのまま起動できます。ゲーム本編のためにインストールする必要はありません。
配布自体は無料で、開発者へ任意額を支援できる形式です。
操作はマウスだけ
公式情報ではInputsはMouseです。キーボードによる複雑な移動やアクションは必要ありません。
展示物のボタン、レバー、ハンドルなどをクリック・ドラッグし、反応を観察します。
操作が単純だからこそ「自分が何をしたのか」が曖昧になりません。
明るい画面なのにホラー
開発者は制作ログで、本作には一般的なホラーと異なる特徴があると説明しています。
- 基本的に明るくカラフル
- ジャンプスケアや露骨に恐ろしい場面は比較的少ない
- ゲーム内テキストや説明は少ない
暗闇・血まみれの廃墟・大量の文章に頼らず、それでも不快感を作ることが設計目標です。
開発者が語った核心|「悪いことはプレイヤーの操作で起こる」
adayofjoyは制作ログで、本作がプレイヤーを不安にさせる大きな理由として、ゲーム内で起こる悪い出来事がプレイヤーの意図的な操作から生じるよう設計したと説明しています。
たとえば展示物を進めるため、プレイヤーはボタンを押し続ける必要があります。途中で展示物が苦しんでいるように見えても、鍵を手に入れるには操作を続けなければなりません。
ムービーを眺めるのではなく、自分の手で最後まで進めることが恐怖になります。
アートの方向性|「かわいい児童書がホラーへ変わる」
アーティストTheresa Kaoは制作ログで、最終的に「cute children’s book illustration turn horror」のトーンを選んだと説明しています。
当初はもっとコメディ寄りのB級ホラー案も検討されましたが、暗示される出来事が重いため、冗談にしすぎる方向は避けられました。
明るい手描き絵が少しずつ不穏になる現在のスタイルは、物語の内容と操作へ合わせて選ばれています。
「プレイヤーが悪い側かもしれない」という反転
アート制作ログでは、物語の大きな発想として「もしプレイヤーが実際の悪者で、道化たちは無実だったら」という構想が語られています。
一般的なピエロホラーは「ピエロから逃げる側」が人間ですが、本作はプレイヤーの立場そのものを疑わせます。
怖い存在を外に置くのではなく、「自分は何をしているのか」を不安にさせる作品です。
対称的・平面的な画面構成
制作ログでは、画面をsymmetrical and flatに見せる方針があり、Rusty LakeやWes Anderson作品を参照したことが明かされています。
展示物を正面から観察するような構図によって、プレイヤーは「鑑賞者」の立場へ固定されます。
その正面性が、展示物へ自分で手を加える場面の不気味さを強めます。
HorrorPort独自分析|『Exhibit of Sorrows』の恐怖構造
以下は開発者発言と分けた、HorrorPortによる分析です。
恐怖構造1|見るだけでなく「やらせる」
ゲーム内の残酷な変化を自動ムービーにせず、クリックや長押しでプレイヤー自身に進めさせます。
「自分は見ただけ」という距離を取れないことが最大の特徴です。
恐怖構造2|鍵がご褒美であり罪悪感の証拠になる
展示を最後まで操作すると鍵を得て次へ進めます。
ゲーム的には成功ですが、展示物に何が起きたかを見ると「成功してよかったのか」が分からなくなります。
恐怖構造3|明るさを安全の証拠にしない
明るくカラフルでも、操作の結果が恐ろしければホラーになります。
「暗いから怖い」という定番を外し、行為そのものへ恐怖を集中させています。
恐怖構造4|文章を減らして責任をプレイヤーへ残す
長い説明文で「これは悪い行為だ」と教えないため、プレイヤーは自分で意味を考えます。
説明の少なさが、展示物の背景と自分の行動を想像させます。
恐怖構造5|最後に主導権を奪う
序盤はプレイヤーが展示物を自由に操作している感覚があります。しかし終盤では、これまで自分が持っていた「操作する側」という立場が揺らぎます。
プレイヤーが他者を動かすゲームから、プレイヤー自身が制御できない状況へ移ることで締めています。
どんな人に向いている?
- 数分で遊べる無料ブラウザホラーを探している人
- ピエロ・サーカスの不気味さが好きな人
- ジャンプスケアより心理的な不快感を求める人
- ポイント&クリック型の短編が好きな人
- 「プレイヤーの行動」を物語に使うゲームが好きな人
ネタバレあり|なぜ自分で操作させることが重要なのか
ここからは作品の核心ギミックに触れます。
Exhibit of Sorrowsでは、展示物が傷つく過程をプレイヤーが止めることもできます。しかし止めれば先へ進めません。
つまりゲームは「嫌ならやめればいい」という自由と、「続けるならやらなければならない」という条件を同時に置きます。
HorrorPortでは、本作の恐怖を「鍵を得るために、自分の倫理をゲーム進行へ交換する感覚」と捉えます。
よくある疑問
Exhibit of Sorrowsは無料?
はい。itch.ioのブラウザ版を無料で遊べます。任意支援にも対応しています。
ダウンロードは必要?
本編はHTML5なのでブラウザから起動できます。
何分くらい?
公式itch.ioでは平均セッションを「A few minutes」としています。
操作は難しい?
マウス操作のみです。
日本語対応している?
公式ページの言語欄は英語です。
参考・確認資料
- itch.io『Exhibit of Sorrows』(無料HTML5、操作、言語、プレイ時間、ゲーム概要)
- adayofjoy「Creating Horror with Bright and Cheerful Clowns」(明るいホラー、プレイヤー操作で悪い出来事を起こす設計)
- Theresa Kao「Creating the Art for Exhibit of Sorrows」(アート方針、プレイヤーの立場、参照した構図)
研究資料・参考文献
HorrorPortでは、公式情報・公的資料・論文・報道・書籍などの出典を区別して管理しています。噂に関する出典は「その噂が存在すること」の確認資料であり、超自然現象そのものを事実認定するものではありません。
- 作品公式一般参考
- 公式Web研究上の解釈
- 公式Web研究上の解釈

