午前2時13分のライブ配信
眠れない夜に、配信アプリを眺めていた。
おすすめ欄の一番下に、視聴者数0人のライブがあった。
タイトルは「部屋から出られません」。
映っていたのは、暗いワンルーム。
誰もいない。
でもコメントは流れていた。
「まだ気づいてない」
「後ろ」
「今日は早いね」
視聴者数はずっと0人のままだった。
変なバグだと思い、画面を閉じようとした。
そのとき、配信画面の奥にある時計が見えた。
午前2時13分。
自分の部屋の時計も、同じ時刻だった。
映っている部屋の壁紙も、家具の位置も、よく見ると私の部屋と同じだった。
でもカメラは、私の背後から部屋全体を映している。
私は振り向けなかった。
コメントが増えた。
「振り向くな」
「もう入ってる」
「あと10秒」
画面の中央に、誰かの手がゆっくり伸びてきた。
私の肩のすぐ後ろだった。
配信はそこで終了した。
朝になって履歴を確認したが、そんな配信は残っていなかった。
代わりに私のプロフィールに、見覚えのない予約配信が一件入っていた。
開始予定は、今夜の午前2時13分。
タイトルは「部屋から出られません」。
