怖い話・怪談

検索履歴のいちばん下

公開: 2026年9月23日 更新: 2026年10月5日
読み終えたあと、 背後 が少し気になる。
検索した覚えのない言葉が、毎晩ひとつずつ履歴に増えていく。ネット怪談。

検索履歴のいちばん下

パソコンの検索履歴に、知らない言葉が残っていた。

「まだ見つけてない」

自分で検索した覚えはない。

履歴を削除した。

次の日。

また一番下に増えていた。

「机の下」

嫌な感じがして、机の下を見た。

何もない。

三日目。

「カーテンの裏」

見なかった。

四日目。

「天井」

その日から、パソコンを閉じて寝るようにした。

朝になると、閉じたままの本体が少しだけ熱を持っていた。

電源は落としているのに、夜中に一度だけファンの回る音で目が覚める。

履歴に残る時刻は、いつも午前三時十四分だった。

壁の時計は止まっていた。

その時間が近づくと、眠っていても自然に目が覚めるようになった。

それでも履歴は増えた。

「近い」

「もう少し」

昨夜、とうとう最後の検索が残っていた。

「後ろ」

私は振り向かなかった。

パソコンの画面に、部屋が反射していたからだ。

私の後ろには誰もいなかった。

安心して息を吐いた。

その瞬間、履歴に新しい文字が増えた。

「画面の中」

反射している私の顔が、私より先に笑った。

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