怖い話・怪談

開かないロッカー

公開: 2026年9月23日 更新: 2026年10月5日
読み終えたあと、 背後 が少し気になる。
誰も使っていないはずの学校のロッカーから、毎朝ノック音がする。短い怖い話。

開かないロッカー

高校二年のとき、教室の後ろに一つだけ使われていないロッカーがあった。

鍵穴が壊れていて、扉も開かなかった。

ある朝、その中から音がした。

コン、コン、コン。

三回。

最初は誰かのいたずらだと思った。

でも翌朝も、同じ時間に三回鳴った。

三日目。

友達と二人で早く学校へ行き、ロッカーの前で待った。

午前七時四十二分。

コン、コン、コン。

友達が笑いながら、扉を三回叩き返した。

その瞬間、中からものすごい勢いで何かが扉を叩いた。

バン、バン、バン、バン。

私たちは逃げた。

廊下を曲がるまで、背後で叩く音が止まらなかった。

金属の扉が震える音だけが、教室の中で何度も反響していた。

友達は途中で一度も振り返らなかった。

昼休み、先生に事情を話した。

先生は笑わなかった。

放課後、業者を呼んでロッカーを開けた。

中は空だった。

ただ、扉の内側に黒いマジックで文字が書いてあった。

「三回までは、こっちから」

その下には新しい文字が増えていた。

「四回目は、そっちから」

次の日から、友達は学校へ来なくなった。

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