難易度:中級|まず本文を読んでから、下の解説を確認してください。
集合写真の欠席者
卒業前、クラス全員で集合写真を撮った。
うちのクラスは三十一人。
その日は佐藤だけが熱を出して休んでいた。
先生が「一人足りないけど、また撮り直す時間もないな」と言い、三十人で撮影した。
数日後、写真が配られた。
休んだ佐藤は当然写っていない。
佐藤は笑いながら言った。
「やっぱり俺だけいないと変な感じだな」
みんなで写真を見ながら、誰が目をつぶっている、誰の髪型がおかしい、と盛り上がった。
その夜、なんとなく写真を見返した。
前列から一人ずつ指で数えた。
三十一人いた。
私はもう一度数えた。
やはり三十一人。
翌日、佐藤に写真を見せた。
「お前、本当にこの日休んでたよな」
佐藤は変な顔をした。
「だから俺、写ってないだろ?」
その通りだった。
佐藤の顔は、どこにもなかった。
この話の意味・解説
クラスは31人で、そのうち佐藤が欠席したので、写る生徒は30人のはずです。ところが写真には31人います。しかも欠席した佐藤は写っていません。つまり、クラスメイトではない「誰か」が一人混ざっていたことになります。
怖いポイント
幽霊と断定しなくても怖さが成立するのがポイントです。撮影時には誰も余分な一人に気づかず、写真を見返して人数を数えた瞬間に状況が反転します。
