都市伝説、怪異・怪現象

カシマさん

読み方: かしまさん

話を聞いた人のもとへ後日現れるとされる呪い系都市伝説。手足のない少女、傷を負った女性、自殺したバレリーナなど複数の姿があり、名前の由来・死因・質問・対処法も話によって変化する。

情報確認: 2026年9月25日

怪異プロフィール

読み方
かしまさん
別名
カシマさん、かしまさん、鹿島さん
怪異の種類
都市伝説、怪異・怪現象
地域
日本
時代
昭和、平成
舞台
道路・路地
モチーフ
女性、追跡、名前
起源・成立
学校の噂、新聞・雑誌、起源不詳
分類補足
唯一の元ネタや固定像を断定せず、姿・名称・由来・対処法が伝播の中で変化する都市伝説として扱う。テケテケや口裂け女との混同・融合も別レイヤーで整理する。

特徴・性質

主な特徴

  • 話を聞くと現れるという型
  • 数日以内に来るとされる話がある
  • 姿が話によって大きく異なる
  • 名前の由来にも複数説がある
  • テケテケと混同されることがある
  • 対処法の問答が語られる型がある

姿・外見

手足を失った少女、ケロイド状の女性、自殺したバレリーナなど、話によって姿が大きく異なる。

行動・特徴

カシマさんの話を聞いた人のもとへ後日現れる、質問をする、正しく答えられないと危害を加えるなどの型がある。

能力・現象

噂を聞いた人物を追跡し、後日その人物のもとへ現れるとされる。

出現条件・状況

カシマさんの話を聞く・知ること自体が出現条件になる型が有名。

成立・由来

成立・伝承時期
昭和後期以降に流通した都市伝説として知られ、2004年には追跡本・都市伝説集で広く扱われる
成立・伝承地域
日本各地。特定の唯一の発祥地・人物を確定できる資料は確認できず、複数の話型が存在する。

カシマさんは、「この話を聞いた人のもとへ後日現れる」と語られる呪い系の都市伝説です。大きな特徴は、姿・名前・死因・質問内容・撃退法が一つに固定されていないことです。

HorrorPortでは、2004年刊『カシマさんを追う―呪いの都市伝説』、同年の都市伝説集『壁女』、書評で論じられる伝播・融合を分けて整理します。特定の事故や人物を「唯一の元ネタ」と断定せず、変化しながら広がった都市伝説として扱います。

カシマさんとは

国立国会図書館サーチで確認できる松山ひろし『カシマさんを追う―呪いの都市伝説』は、カシマさんを一冊かけて追跡した資料です。書誌要約では、「話を聞いた人の元に現れる」型のほか、手足のない少女、傷を負った女性、自殺したバレリーナなど、話によって姿が異なることが紹介されています。

つまり、カシマさんには「これが唯一の正しい姿」と言える固定像がありません。むしろ、話が人から人へ伝わる過程で設定が変わること自体が、この都市伝説の重要な特徴です。

話を聞くと現れるという構造

代表的な話型では、カシマさんの話を聞いた人のもとへ三日以内など一定期間の後に現れるとされます。怪異を見る・呼ぶのではなく、「知ってしまったこと」自体が発動条件になるのが特徴です。

この構造は、聞き手を物語の外に置かず、そのまま次の当事者に変える仕掛けになっています。そのため、口頭・学校・インターネットなど、人から人へ伝わる媒体と相性がよい都市伝説です。

なぜ姿がバラバラなのか

『カシマさんを追う』の紹介では、手足のない少女、ケロイド状の女性、自殺したバレリーナなど複数の姿が挙げられています。書評でも、下山事件や鹿島炭鉱との関連説、他の都市伝説との融合など、複数の由来候補を追う構成が紹介されています。

重要なのは、これらを「どれか一つが真実で、ほかは偽物」と単純化しないことです。都市伝説では、異なる怖い話の部品が結び付き、名称やルールが変化しながら広まることがあります。

カシマさんの名前の由来

カシマさんという名前にも複数の説があります。特定の人物名、地名、事件名などと結び付ける説明が語られますが、唯一の起源を確定できる一次資料は確認されていません。

『カシマさんを追う』自体も、名前のルーツを「謎」として追跡しています。したがってHorrorPortでは、後から語られた由来説を事実として断定しません。

カシマさんの対処法

都市伝説の中には、カシマさんが現れた際に質問へ正しく答える、名前に関する言葉を返すなどの対処法が語られる型があります。

ただし、これは怪談の物語上のルールです。現実の安全対策として確認された方法ではありません。また、正解とされる返答も話によって異なります。

テケテケとの違い

カシマさんは、身体の一部を失った女性という設定や、鉄道事故と結び付く型などから、テケテケと混同されることがあります。

しかし、カシマさんは「話を聞いた人のもとへ後日現れる」「問答や回避ルールがある」といった伝播型の構造が強く、テケテケとは名称も話の仕組みも異なります。完全に同一の都市伝説と断定することはできません。

口裂け女との関係

カシマさんは、口裂け女のような昭和後期以降の都市伝説と比較されることがあります。どちらも、人から人へ噂が広がる中で、外見・由来・対処法が変化していく点が共通します。

ただし、両者は別の都市伝説です。似た伝播の仕組みを持つからといって、同じ起源とみなすことはできません。

2004年には都市伝説集で広く扱われていた

国立国会図書館サーチでは、2004年6月刊の松山ひろし『壁女―真夜中の都市伝説』の収録題材として「カシマさん」が明記されています。さらに同年11月には『カシマさんを追う』が刊行されています。

これはカシマさんの発祥年代を示す証拠ではありませんが、少なくとも2000年代前半には、単発の怪談ではなく、都市伝説集や専門的な追跡本で扱われるほど広く知られた題材だったことを示します。

実在した人物や事件が元ネタなのか

カシマさんの唯一のモデルとなった実在人物や事件を確定できる資料は確認されていません。事故・戦争・炭鉱・鉄道などと結び付ける説はありますが、それぞれを起源と断定するには証拠が不足しています。

確認できるのは、「カシマさん」という名前の都市伝説に複数の由来説明が付け加えられてきたという事実です。

カシマさんは実在するのか

超自然的存在としてのカシマさんが実在すると確認された証拠はありません。一方で、カシマさんという都市伝説が複数の話型を持ち、書籍・口承・インターネットなどを通じて流通してきたことは資料から確認できます。

HorrorPortでは、怪異の実在性と、都市伝説が社会の中で語られてきた事実を分けて扱います。

研究するときの注意点

カシマさんを調べる場合、「カシマさん」「かしまさん」「鹿島さん」「カシマレイコ」など複数の表記に注意が必要です。また、テケテケや口裂け女など別の都市伝説と混ざった話もあります。

特に重要なのは、後世に付け加えられた元ネタ説を、同時代資料で確認された事実と混同しないことです。HorrorPortでは、書誌で確認できる事実と、伝播・融合に関する解釈を分離して表示します。ほかの都市伝説は都市伝説一覧から調べられます。

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研究資料・参考文献

HorrorPortでは、論文・公的資料・新聞・博物館資料・書籍・公式情報などを区別して管理し、何を裏付ける資料なのかが分かるように表示します。噂を裏付ける資料は「噂が存在すること」の根拠であり、超自然現象そのものの事実認定ではありません。

  • 書籍事実確認

    カシマさんを追う : 呪いの都市伝説

    松山ひろし / アールズ出版 / 2004.11

    2004年刊『カシマさんを追う』の書誌・要約から、三日以内に現れる型、多様な姿、名称由来の複数説が追跡対象であることを確認。

  • 公的資料事実確認

    壁女 : 真夜中の都市伝説

    松山ひろし / イースト・プレス / 2004.6

    2004年6月刊『壁女』の収録題材として「カシマさん」が明記され、2000年代前半には都市伝説集で流通していたことを確認。

  • Web資料研究上の解釈

    米光一成「新刊めったくたガイド」『カシマさんを追う』評

    米光一成 / ALL REVIEWS / 本の雑誌 / 本の雑誌2005年2月号

    カシマさんの多様な話型、他の都市伝説との融合、伝播中の変化を読むための書評・解説資料。