トイレの花子さん
学校のトイレに現れるとされる、日本を代表する学校怪談の怪異。特定の個室をノックして名前を呼ぶと返事をする、姿を現す、手が出るなど、地域・学校ごとに多くの変種がある。
女性の姿で、マスクなどで口元を隠していると語られることが多い。マスクを外すと口が大きく裂けているという型が有名。服装や凶器などには地域差・時期差がある。
通行人や子どもに近づき、「私、きれい?」などと問いかける。返答後に口元を見せたり、相手を追いかけたりする話が広く知られる。
非常に速く走る、追いつかれるなどの話が広く知られるが、速度や能力の細部には多数の変種がある。
通学路や道路など、子どもの日常生活圏で遭遇する話として語られることが多い。特定の出現条件は地域・時期によって異なる。
私、きれい?
口裂け女は、1970年代末の日本で急速に広まった代表的な都市伝説です。マスクをした女性が子どもに近づき、「私、きれい?」と問いかける——現在よく知られるこの型は、最初から完成していたわけではありません。岐阜県周辺で語られた噂が子どもたちの間で広がる過程で、外見、問いかけ、逃げ方、弱点などの要素が次々に加わっていきました。
口裂け女は、口が大きく裂けた女性として語られる現代日本の怪異です。典型的な語りでは、女性はマスクなどで口元を隠し、通りかかった相手に「私、きれい?」と尋ねます。返答によってマスクを外し、裂けた口を見せるという展開が広く知られています。
ただし、細部は地域や時期によって大きく異なります。凶器、服装、走る速さ、逃げるための言葉、好物や苦手なものなどには多数の変種があり、「これが唯一の正しい口裂け女」という固定した伝承ではありません。
岐阜県図書館のレファレンス記録では、口裂け女の噂は1978年暮れごろから翌1979年にかけて岐阜市内で話題になり、その後全国へ広まったとされています。発信地については、美濃加茂市、八百津町、岐阜市など複数の説が記録されています。
国立国会図書館が所蔵する『岐阜日日新聞』では、1979年1月26日朝刊1面の「編集余記」に口裂け女が登場していたことが確認されています。また岐阜県図書館の調査では、同年6月15日夕刊に「岐阜で生まれた口裂け女 騒ぎやっと下火へ」という記事が掲載され、想像図も載っていました。
現在の口裂け女像は、噂が広がる中で形づくられたものです。國學院大學の民俗学者・飯倉義之教授は、初期の話を岐阜県八百津町での目撃談として紹介し、その後子どもたちの間で語られるうちに「マスクをしている」「私、きれい?と聞く」「赤いコート」「非常に速く走る」などの要素が加えられていったと説明しています。
さらに、「ポマードが苦手」「べっこう飴が好き」「三人姉妹」といった有名な設定も後から定着した要素とされています。一方で、かつて語られながら残らなかった変種もあり、口裂け女は人から人へ伝わる過程で内容が選別・変化してきた怪異だと見ることができます。
この流れはあくまで代表例です。口裂け女の伝承は地域差が大きく、すべての要素が同じ話に含まれるわけではありません。
口裂け女は、特定の作者が作ったキャラクターというより、多くの人が噂を語り継ぐ中で形を変えていった「現代の民話」として研究されています。学校や地域の子ども社会では、友人から聞いた話に別の設定が加わり、それがまた次の人へ伝わります。
この仕組みにより、「どうすれば助かるのか」「どれほど速いのか」「なぜ口が裂けたのか」といった説明が後付けされ、より語りやすく、怖く、印象に残る形へ変化していきました。
口裂け女については、実在する特定人物の存在が確認されたという資料ではなく、噂・目撃談・新聞報道・子どもたちの語りを通じて広まった都市伝説として扱うのが適切です。新聞に掲載された事実と、伝承の内容そのものが事実であることは別です。
「日常の帰り道に現れる」「短いやり取りだけで成立する」「答え方によって結末が変わる」という構造は、子ども同士で伝えやすく、時代ごとに新しい設定を付け足しやすい特徴を持っています。そのため、1970年代末のブームが過ぎた後も、漫画、映画、テレビ、インターネットなどを通じて繰り返し再解釈されてきました。
1978年末〜1979年
学校のトイレに現れるとされる、日本を代表する学校怪談の怪異。特定の個室をノックして名前を呼ぶと返事をする、姿を現す、手が出るなど、地域・学校ごとに多くの変種がある。
上半身だけの姿で高速移動すると語られる学校怪談・都市伝説。鉄道事故の女性という型が有名だが、初期類話には少年の例もあり、発祥地・由来には複数説がある。
捨てられた人形などから電話がかかり、「今○○にいるの」と徐々に距離を縮め、最後に背後へ現れると語られる代表的な電話系都市伝説。
話を聞いた人のもとへ後日現れるとされる呪い系都市伝説。手足のない少女、傷を負った女性、自殺したバレリーナなど複数の姿があり、名前の由来・死因・質問・対処法も話によって変化する。
犬の身体に人間のような顔を持つとされる都市伝説。1989年末〜1990年前後に子どもの噂とマスメディアを通じて大きく広まり、現代妖怪の代表例として扱われる。
身長約八尺(約242cm)の非常に背が高い女性の姿で語られるネット都市伝説。白い服・帽子・『ぽぽぽ』という声が有名で、2008年の2ちゃんねる投稿を起点に広まった現代怪異として知ら…
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国立国会図書館 レファレンス協同データベース「口裂け女の記事が『岐阜日日新聞』の1979年1月26日に掲載されているのか知りたい」
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岐阜県図書館 レファレンス協同データベース「『口裂け女』が噂になった当時…」
本文末の参考資料として使用
國學院大學「都市伝説は時代を映す。ネットの中で変容する、現代の民話術」
本文末の参考資料として使用