都市伝説

メリーさんの電話

読み方: めりーさんのでんわ

捨てられた人形などから電話がかかり、「今○○にいるの」と徐々に距離を縮め、最後に背後へ現れると語られる代表的な電話系都市伝説。

情報確認: 2026年10月5日

怪異プロフィール

読み方
めりーさんのでんわ
別名
メリーさん、メリーさんの電話
怪異の種類
都市伝説
地域
日本
時代
昭和、平成
舞台
学校、家・住宅
モチーフ
女性、人形、電話、声
起源・成立
民間伝承、学校の噂
分類補足
電話・人形をモチーフにした都市伝説・学校怪談。リカちゃん電話との関連は説として扱い、直接起源とは断定しない。

特徴・性質

主な特徴

  • 電話を通じて接近してくる
  • 『今○○にいるの』と現在地を告げる
  • 最後に背後へ現れる型が有名
  • 人形が捨てられたことを発端とする話が多い
  • 学校怪談として広く知られる

姿・外見

人形「メリーさん」として語られることが多い。姿を見せず電話の声だけで進行する型もある。

行動・特徴

電話をかけるたび、または電話がかかるたびに現在地を告げながら近づき、最後に『あなたの後ろにいるの』と告げる型が有名。

能力・現象

離れた場所から電話で接近を告げ、最終的に背後へ現れるとされる。

出現条件・状況

人形を捨てるなどした後に電話がかかってくる型が有名だが、話によって導入は異なる。

よく知られている言葉・フレーズ

私メリーさん。今あなたの後ろにいるの

成立・由来

成立・伝承時期
昭和後期〜平成期に広く流通
成立・伝承地域
日本各地。発祥地・初出は確定していない。1968年開始の実在サービス「リカちゃん電話」との関連説があるが、直接の起源と断定できる資料は確認できない。

メリーさんの電話は、「私メリーさん。今○○にいるの」と電話で現在地を告げながら少しずつ近づき、最後に「今あなたの後ろにいるの」と告げることで知られる日本の都市伝説です。人形、電話、接近という三つの要素が組み合わさった怪談で、学校怪談としても広く知られています。

メリーさんの電話とは

代表的な話では、少女が大切にしていた人形を捨てた、または手放した後、その人形を名乗る「メリーさん」から電話がかかってきます。

最初は遠い場所にいると告げますが、電話がかかるたびに駅、町内、自宅前というように距離が縮まり、最後には背後まで到達します。

「今あなたの後ろにいるの」が有名な結末

この怪談でもっとも有名なのが、「今あなたの後ろにいるの」という最後の一言です。姿を見せず、電話の声だけで接近を知らせるため、聞き手は安全だと思っていた自宅の中まで侵入された感覚を味わいます。

ただし、最後に襲われる、振り返ると誰もいない、その後も電話だけが続くなど、結末には複数の型があります。

怖さの中心は「電話のたびに距離が縮まる」こと

メリーさんの電話は、一度の驚きよりも反復によって恐怖を強める構造を持ちます。電話が鳴るたびに相手の位置が近づくため、次の着信そのものが恐怖になります。

距離が数値や地名で分かることも特徴です。怪異の姿を細かく描写しなくても、「さっきより近い」という情報だけで緊張を高められるため、口頭でも短く語りやすい怪談です。

リカちゃん電話との関連説

起源を考えるときによく挙げられるのが、実在した「リカちゃん電話」です。タカラトミーの公式資料では、リカちゃん電話は1968年に正式サービスを開始したことが確認できます。

国立国会図書館のレファレンス事例では、子どもから「リカちゃんと話したい」という電話が多く寄せられたことをきっかけにサービスが整えられ、1968年10月から録音音声を使った正式サービスになった経緯が紹介されています。

リカちゃん電話が「直接の元ネタ」とは断定できない

実在するキャラクター電話と、電話越しに人形が近づいてくる怪談は確かに似ています。しかし、1968年のサービス開始時点で、現在の「メリーさんの電話」と同じ筋書きがすでに語られていたことを示す同時代資料までは確認できません。

そのため、リカちゃん電話は起源を考える重要な背景資料ではありますが、「1968年にメリーさんの電話が生まれた」とまで言い切るのは慎重であるべきです。

1990年代には学校怪談として定着

1990年代には学校の怪談が大きなブームとなり、電話、人形、接近という分かりやすい構造を持つメリーさんの話も広く知られるようになりました。

固定電話、公衆電話、携帯電話など、時代によって電話環境が変わっても話の骨格を保ちやすいことが、この怪談が長く語られてきた理由の一つと考えられます。

1999年には『メリーさんの電話』が児童書に

国立国会図書館には、斉藤洋『メリーさんの電話』が1999年に刊行された書誌があります。これは怪談の最初の発祥を示す資料ではありません。

一方で、1990年代末には「メリーさんの電話」という名称と題材が児童向け出版物のタイトルになるほど定着していたことを確認できる資料です。

話によって変わる部分

  • 人形を捨てた理由
  • 人形の姿や名前
  • 最初に電話してくる場所
  • 接近の回数
  • 最後に何が起きるか

「メリーさん」という名前は広く定着していますが、細部まで全国共通の一つの原話があるわけではありません。都市伝説として流通する中で、地域や語り手ごとに変化したと考える方が自然です。

電話という道具が怖さを変えてきた

固定電話の時代には「家の中まで電話がかかってくる」こと自体が強い恐怖になりました。携帯電話が普及すると、外出中でも位置を追われる話へ変形しやすくなります。

技術が変わっても、「離れた相手が通信手段を使って自分の位置へ近づいてくる」という構造は残るため、時代に合わせて更新されやすい都市伝説です。

実話なのか

「メリーさん」という特定の人形や事件が実在し、それがこの怪談の唯一の起源になったと確認できる資料はありません。

確認できるのは、実在したリカちゃん電話というサービス、1990年代までに広く流通した学校怪談文化、1999年に同名の題材が出版物へ取り込まれていたことです。怪談の内容と確認できる歴史は分けて考える必要があります。

似た都市伝説と比べる

電話や通信を通じて恐怖が接近する怪談は、時代ごとに形を変えてきました。人形が中心になるメリーさんの電話に対し、追跡する身体的怪異としてはテケテケ、現代妖怪として社会的流行が記録された例には人面犬があります。

同じ都市伝説でも、恐怖を生む仕組みを比べると、メリーさんの電話は「見えない相手との距離が縮まること」に特徴があります。

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研究資料・参考文献

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