テケテケ
上半身だけの姿で高速移動すると語られる学校怪談・都市伝説。鉄道事故の女性という型が有名だが、初期類話には少年の例もあり、発祥地・由来には複数説がある。
人形「メリーさん」として語られることが多い。姿を見せず電話の声だけで進行する型もある。
電話をかけるたび、または電話がかかるたびに現在地を告げながら近づき、最後に『あなたの後ろにいるの』と告げる型が有名。
離れた場所から電話で接近を告げ、最終的に背後へ現れるとされる。
人形を捨てるなどした後に電話がかかってくる型が有名だが、話によって導入は異なる。
私メリーさん。今あなたの後ろにいるの
メリーさんの電話は、「私メリーさん。今○○にいるの」と電話で現在地を告げながら少しずつ近づき、最後に「今あなたの後ろにいるの」と告げることで知られる日本の都市伝説です。人形、電話、接近という三つの要素が組み合わさった怪談で、学校怪談としても広く知られています。
代表的な話では、少女が大切にしていた人形を捨てた、または手放した後、その人形を名乗る「メリーさん」から電話がかかってきます。
最初は遠い場所にいると告げますが、電話がかかるたびに駅、町内、自宅前というように距離が縮まり、最後には背後まで到達します。
この怪談でもっとも有名なのが、「今あなたの後ろにいるの」という最後の一言です。姿を見せず、電話の声だけで接近を知らせるため、聞き手は安全だと思っていた自宅の中まで侵入された感覚を味わいます。
ただし、最後に襲われる、振り返ると誰もいない、その後も電話だけが続くなど、結末には複数の型があります。
メリーさんの電話は、一度の驚きよりも反復によって恐怖を強める構造を持ちます。電話が鳴るたびに相手の位置が近づくため、次の着信そのものが恐怖になります。
距離が数値や地名で分かることも特徴です。怪異の姿を細かく描写しなくても、「さっきより近い」という情報だけで緊張を高められるため、口頭でも短く語りやすい怪談です。
起源を考えるときによく挙げられるのが、実在した「リカちゃん電話」です。タカラトミーの公式資料では、リカちゃん電話は1968年に正式サービスを開始したことが確認できます。
国立国会図書館のレファレンス事例では、子どもから「リカちゃんと話したい」という電話が多く寄せられたことをきっかけにサービスが整えられ、1968年10月から録音音声を使った正式サービスになった経緯が紹介されています。
実在するキャラクター電話と、電話越しに人形が近づいてくる怪談は確かに似ています。しかし、1968年のサービス開始時点で、現在の「メリーさんの電話」と同じ筋書きがすでに語られていたことを示す同時代資料までは確認できません。
そのため、リカちゃん電話は起源を考える重要な背景資料ではありますが、「1968年にメリーさんの電話が生まれた」とまで言い切るのは慎重であるべきです。
1990年代には学校の怪談が大きなブームとなり、電話、人形、接近という分かりやすい構造を持つメリーさんの話も広く知られるようになりました。
固定電話、公衆電話、携帯電話など、時代によって電話環境が変わっても話の骨格を保ちやすいことが、この怪談が長く語られてきた理由の一つと考えられます。
国立国会図書館には、斉藤洋『メリーさんの電話』が1999年に刊行された書誌があります。これは怪談の最初の発祥を示す資料ではありません。
一方で、1990年代末には「メリーさんの電話」という名称と題材が児童向け出版物のタイトルになるほど定着していたことを確認できる資料です。
「メリーさん」という名前は広く定着していますが、細部まで全国共通の一つの原話があるわけではありません。都市伝説として流通する中で、地域や語り手ごとに変化したと考える方が自然です。
固定電話の時代には「家の中まで電話がかかってくる」こと自体が強い恐怖になりました。携帯電話が普及すると、外出中でも位置を追われる話へ変形しやすくなります。
技術が変わっても、「離れた相手が通信手段を使って自分の位置へ近づいてくる」という構造は残るため、時代に合わせて更新されやすい都市伝説です。
「メリーさん」という特定の人形や事件が実在し、それがこの怪談の唯一の起源になったと確認できる資料はありません。
確認できるのは、実在したリカちゃん電話というサービス、1990年代までに広く流通した学校怪談文化、1999年に同名の題材が出版物へ取り込まれていたことです。怪談の内容と確認できる歴史は分けて考える必要があります。
電話や通信を通じて恐怖が接近する怪談は、時代ごとに形を変えてきました。人形が中心になるメリーさんの電話に対し、追跡する身体的怪異としてはテケテケ、現代妖怪として社会的流行が記録された例には人面犬があります。
同じ都市伝説でも、恐怖を生む仕組みを比べると、メリーさんの電話は「見えない相手との距離が縮まること」に特徴があります。
上半身だけの姿で高速移動すると語られる学校怪談・都市伝説。鉄道事故の女性という型が有名だが、初期類話には少年の例もあり、発祥地・由来には複数説がある。
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本文末の参考資料として使用
本文末の参考資料として使用
本文末の参考資料として使用
リカちゃん電話が1968年に正式サービスを開始した企業公式記録の確認。怪談の直接起源とは断定しない。
1999年に『メリーさんの電話』という題材が児童書として刊行されていた出版事実の確認。